2024.12.05
インプラントで骨がない場合の処置 GBR
インプラント治療とGBR(骨再生誘導法)について
インプラント治療と骨の関係
インプラント治療は、失われた歯の根っこにあたる部分に人工のチタン製ネジを埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。このチタン製のネジがしっかり骨と結合することで、まるで自分の歯のようにしっかりと噛むことができるようになります。
しかし、顎の骨が十分にない場合、インプラントをしっかりと固定することが難しく、治療ができないことがあります。
GBR(骨再生誘導法)とは?
GBR(Guided Bone Regeneration)とは、骨再生誘導法の略で、顎の骨が足りない場合に、人工の材料や膜などを用いて骨を再生させる治療法です。このGBRによって骨を増やすことで、インプラントを埋め込むための十分な骨量を確保し、インプラント治療が可能になります。
GBRが必要になるケース
* 歯周病などで骨が溶けてしまった場合
* 歯を抜いた後、時間が経って骨が痩せてしまった場合
* 先天的に顎の骨が薄い場合
GBRの手術
GBRの手術は、インプラント手術と同時に行う場合と、別に行う場合があります。
① インプラント手術と同時に行う場合
* 歯肉を切開し、骨を露出させます。
* 骨の足りない部分に骨補填材を充填します。
* 骨補填材を膜で覆い、インプラントを埋め込みます。
* 歯肉を縫合します。
② インプラント手術を別に行う場合
* 歯肉を切開し、骨を露出させます。
* 骨の足りない部分に骨補填材を充填し、膜で覆います。
* 歯肉を縫合し、骨が再生するのを待ちます。
* 骨が再生したことを確認後、インプラントを埋め込みます。
使用される材料
* 骨補填材: 人工骨や自家骨(患者さん自身の骨)などが使用されます。
* 膜: コラーゲン膜やチタン膜などが使用され、骨補填材を覆って骨が再生しやすい環境を作ります。
GBRのメリット
* インプラント治療が可能になる: 骨が足りない場合でも、インプラント治療が可能になります。
* より安定したインプラント: 骨が再生することで、インプラントがよりしっかりと固定され、長持ちします。
GBRのデメリット
* 手術時間が長くなる: インプラント手術に加えてGBRの手術を行うため、手術時間が長くなります。
* 費用が高くなる: 材料費や手術時間が長くなるため、費用が高くなります。
* 治療期間が長くなる: 骨が再生するまで時間がかかるため、治療期間が長くなります。
GBRの注意点
* 術後の注意: 手術後、腫れや痛み、出血などが起こることがあります。
* 感染のリスク: 手術部位が感染するリスクがあります。
* 骨が再生しない可能性: すべてのケースで骨が完全に再生するわけではありません。
まとめ
GBRは、インプラント治療を行う上で欠かせない技術の一つです。しかし、手術のリスクや費用、治療期間など、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。治療を受ける際は、歯科医師とよく相談し、ご自身の状況に合った治療法を選びましょう。